屋根づたいの君へ
Le.Chocolat×KLEIN | Windows98/Me/2000/XP | 800x600 |
8800円+税 | 1Play6時間 | 属性:幼なじみ |
難易度:4 | Keyディスク不要 | オススメ:☆☆☆ |
屋根づたいに育む恋の行方は?
主人公、岸田邦彦の携帯についている小さなガラス玉のストラップ。いつ手に入れたのかも覚えていないけれど、大切なものだということはわかる。町でそのストラップを見つめていた女性と出会った夜、邦彦は夢を見た。いつもいじめられていた幼なじみの女のコの夢。ガラス玉はその女のコからもらったものだった。そして、幼いころに離ればなれになった幼なじみ、依乃里が隣の家に引っ越してきて…。
ゲームはちょっと切ない雰囲気を持った恋愛AVG。ゲーム前半は年上の幼なじみの依乃里とのラブラブな関係が描かれ、後半は主人公を慕っている後輩の友紀、依乃里の婚約者である三国を加えた三角関係が描かれるという展開だ。三角関係といっても、それほどドロドロしたものではなく、エンディングもスッキリとした爽やかなもの。終盤の三角関係の描写があっさりしすぎているかな、という気もしないではないけど、あまり鬱な展開になってしまうのもどうかという気もするので、これはこれで良かったかな。
©Le.Chocolat×KLEIN
メインとなるキャラクターは主人公を含めて4人。ヒロインである依乃里と友紀、そして、依乃里の婚約者の三国の4人だ。人数こそ少ないけど、それぞれのキャラクターは皆魅力的。お姉さんキャラではあっても大人しくて、ちょっと頼りない依乃里。明るく元気な妹的キャラである友紀と2人のヒロインはまったく対照的。どちらのキャラも生き生きと、魅力的に描かれている。そして、予想を裏切っていい感じだったのが、主人公のライバルとなる三国。三国は金持ちのボンボンで二枚目、キザなキャラ。ところが金持ちのボンボンで二枚目、キザというのは確かなんだけど、裏表がなく実に「いい人」だったりする。お人好しでちょっとお調子者だったりするのも好感度高し。この三国というキャラがいたからこそ、プレイ後の印象が爽やかになったんじゃなかいかな。
ただ、友紀のシナリオに関してはちょっと不満。というのもストーリーは依乃里中心で進んでいき、友紀はサブキャラという印象を拭えないから。まあ、ゲーム開始直後の強制イベントで主人公と依乃里が結ばれてしまうわけで、友紀との関係は浮気ということになってしまうわけだから、仕方がないといえば仕方ないのかも。あくまでも主人公と依乃里の関係を描くのが、この作品のメインテーマと考えた方が良さそうだ。
Hシーンに関してはかなり多め。特に依乃里に関してはイベント数14と、たっぷりと用意されている。純愛AVGとしては十分すぎるくらいでしょう。気になったのはテキストの使い回しが多かったこと。どこかで見たことがあるテキストが繰り返し出てくる。それと、友紀のイベントが2つとかなり少ないのも不満。2つといっても1回のプレイで見ることができるのは1つだけだし、1つはバッドエンド確定イベント。友紀ファンは間違いなく不満だろうね。
さて、甘く切ないラブストーリーとしてはなかなかいい出来の本作だけど、問題はシステム周り。ハッキリ言えば、あまりにもバグが多すぎる。シーンが切り替わっても立ちキャラが消えなかったり、効果音がいつまでも鳴り続けたり、本来選択肢として出てくるはずのテキストがメッセージウインドウに出てきてしまったりと、1度でもテストプレイをすれば発見できるはずのバグが大量に残されている。一応、修正差分が出ていて、これをインストールすればかなりマシになるんだけど、この差分が17MBとかなりの大容量。しかも、その差分をインストールしてもバグは完全には直らないという…。そのバグがゲームが盛り上がるところで出てくるものだから始末に負えない。これでは感情移入したくてもできません。というわけで、オススメ度は差分なしで☆2つ、差分をインストールした状態で☆3つとした。今後、新たな差分によってバグが完全に直ったら☆4つでもいいかな。
(by Suno)