ウソツキは天使のはじまり
SAGA PLANETS | Windows98/2000/Me/XP | 800x600 |
8800円+税 | 1Play約7時間(音声オン時で約8時間) | 属性:ラブコメ |
難易度:5 | Keyディスク不要 | オススメ:☆☆☆☆ |
ウソツキ天使とやさしい悪魔と共同生活
©SAGA PLANETS
主人公の東海林亘は、生まれてからこれまでなんども危険な目に遭ってきた。だが、「死ぬ!」と思った瞬間、奇跡的な助かり方をする。家族も最初のうちは心配してくれたけど、今ではすっかり慣れっこ。そんなある日、亘は天使と悪魔が喧嘩をしている場面に遭遇。亘の不幸は悪魔の仕業、助かってきたのは天使の仕業だったのだ。長い間争い続けてきた天使と悪魔は力が衰えてしまった。天使のアリスと悪魔のリリカは残り少ないチャンスを活かすため、亘と同居するといいだして!?
システムはコマンド選択型のAVGで、キーボードだけでも操作可能。非常に軽く、快適にプレイできるシステムだ。セーブは54カ所までだが、基本的な難易度がそれほど高くないので必要十分だろう。1度クリアすると、タイトルメニューに「後半から」というメニューが追加され、エンディングを見たキャラのシナリオをプレイできるようになる。「始めから」でプレイしてキャラを選択し、「後半から」でそのキャラのシナリオをプレイするシステムというわけだ。「始めから」でプレイする部分はどのキャラのルートでも共通部分が多いので、2回目以降のプレイではメッセージスキップを使って短時間でクリアすることもできる。メッセージスキップは非常に高速なのもありがたい。
そして、「始めから」でプレイするシナリオ前半部分は、明るい雰囲気のラブコメ。メインヒロインであるアリスやリリカをはじめ、登場キャラが全員個性豊かな面々なので、テンポのいいドタバタを楽しめる。テキストウインドウの横に話しているキャラの顔グラフィックが表示されるのだが、この表情がコロコロと変わっていくのは見ているだけでも楽しい。それに対して後半は意外とシリアス。といっても、まったく救いのない終わり方をするキャラはいないので、安心して楽しめるはず。SAGA PLANETSというと『恋愛CHU!』でラブコメと思っていたら、実は…というのに驚かされた人もいるかと思うが、今回はそういうサプライズはないので、CGを見たときの印象そのままという感じだ。また、前半コミカル、後半シリアスという構成のゲームの場合、前半部分にHシーンがないものもあるが、このゲームの場合は序盤からHシーンが出てくるので、その点も楽しめる。なお、Hシーンはほとんどすべてが和姦の純愛路線。
そしてなんといってもこの作品の魅力は、有末つかさ氏が描くCG。CGは総枚数147枚と大ボリューム。明るくポップな絵柄はゲームの雰囲気にもぴったり。『恋愛CHU!』などでも好評だった有末つかさ氏だが、CGのクオリティは『恋愛CHU!』以上だろう。
全体を通して見ると、ドタバタのラブコメが好きな人にはオススメ。システム、CG、ストーリー、どこをとってもきちんとまとまっている。特にアリスやリリカをはじめとしたキャラの描写はハイレベル。どのキャラも生き生きと描かれているので、最後まで楽しめる。難点を上げるとすれば、意外性がないということくらい。予定調和の世界というか、エンディングもなんとなく想像がついてしまうのだ。とはいえラブコメとしてはかなり出来のいい良作には違いないので、ラブコメが好きで、CGが気に入ったのならプレイして損のない作品だ。
(by Suno)