英雄×魔王

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醜い人間どもに恐怖と苦痛を与えてやる！

©エスクード

魔王フェルザーは大の人間嫌い。己の利益のために他人を裏切ったり、傷つけることも平気という卑劣な人間の性根が大嫌いなのだ。しかも、大した実力もないくせに、フェルザーの支配を拒絶し、抵抗し続けることも許せない！　というわけで、フェルザーは人間たちに真の恐怖を植え付けるため、大陸全土を併呑する軍を起こすことに!!　フェルザーは抵抗勢力をすべて撃破し、恐怖による統一を成就することができるだろうか？

このゲームは、プレイヤーが魔王フェルザーとなり、大陸を制覇していくSLG。戦闘はカードバトルとジャンケンを足したようなシステムを採用しているが、これがなかなか完成度が高くて熱くなれるんだよね。ユニットはソルジャー・マジシャン・アーチャーの3種類があり、ジャンケン同様それぞれ三すくみの状態にある。敵の部隊編成を分析し、敵の主力が苦手とするユニットを揃えて戦うなど、プレイヤーの戦術が勝敗の分かれ目となる。また、必殺技なども繰り出せるので、技の出すタイミングなども重要だったりするのだ。シンプルなルールゆえに、逆に奥深さを感じるシステムって印象かな。また、注目したいのがユニットの生産方法。フェルザーが部下にした女のコとＨし、出産させることでユニットを補充できるのだ。我が子を消耗品として戦線に投入するのが、いかにも魔王的な発想だね！

戦闘システムの出来は個人的には満足いくけど、ちょっと厳しいのが時間的な問題だろうか？　このゲームにはエンディングが複数あるが、基本的にはラスト手前で分岐するタイプではない。エンディング1つ見るために、1回のプレイが必要と考えていい。大陸全土を平定するのに1日ぐらいの時間がかかるので、9個のエンディングを制覇するには1週間近くかかってしまうのだ。ゲームクリア後にセーブデータを継承できるので、プレイを積み重ねるごとに戦いは楽になるけど正直シンドイね。ラストで好感度の高いヒロインに告白し、一度に複数人のエンディングが見られる構成でも良かった気もする。とはいえ、進撃ルートを変えると部下に出来る人材が変化したり、プレイする度に色んな発見があるので、繰り返しプレイへの配慮はある。ルートによっては勇者たちの生き様に涙したり、フェルザーの過去や正体が明らかになったりと、やり込む程にゲームの世界観にハマっていける演出もバッチリ。ヤリ込み系ゲームとしての資質はかなり高いと思う。

ただ、ゲームに費やす時間が膨大な割に、イベント数がやや少なめなのが残念だ。我が子を出産させるＨはゲームシステムの一環として処理され、やや淡泊な感じ。また、部下になる女のコに、顔なしＨなしのいわゆるザコキャラがいるのがマイナスポイント。エンディングのない女のコがいてもいいが、Ｈシーンのない女のコはノーサンキューだ。プレイ時間に相応しいＨ数があれば完璧だったね！　でも、長時間遊べる良作であることは間違いない。オススメの作品ッス。

（by イ・ヤン提督）