さくらむすび
CUFFS | Windows98SE/Me/2000/XP | 800x600 |
6800円+税 | 1Play10時間 | 属性:妹 |
難易度:4 | Keyディスク必要 | オススメ:☆☆☆ |
王道を行くビジュアルノベル
物心つく前に両親を亡くした主人公。だが、主人公のそばには妹の桜がいて、幼なじみの紅葉がいて、愛情を注いでくれる大人たちがいた。両親がいないということを理解してからも、特別な思いはなかった。主人公は十分に幸せだったのだから。ただ1つ。妹の桜と別々の家に引き取られたことだけが納得がいかなかった。兄である自分が桜を守るのだ。そう誓い、早く大人になりたいと思った主人公。いつしか時は流れ、数ヶ月後に卒業を控えて、将来を考えなくてはならない時期にきていた…。
ゲームは今時珍しいくらいにオーソドックスなビジュアルノベル。画面全体にテキストが表示されるという方式だ。そして、音声もナシ。これに関しては賛否両論ありそうだけど、音声をつけることでキャラクターのイメージが限定されてしまうこともあり得るわけで、必ずしもマイナスとは言い切れないところだろう。個人的には音声をつけなかったことは成功だったと思う。もっとも、そこまでの効果を狙っていたのか、制作上の都合だったのかは、プレイヤー側からは判断できないけどね。
©CUFFS
物語はいくつかの選択肢を選ぶことで進んでいく。選択肢はそれほど難しいものはないので、たとえ攻略などを見なくても、簡単にクリアできるはず。といっても、テキスト量はかなりのものなのでボリューム感は十分。攻略可能キャラは妹の桜、幼なじみの紅葉、友人の妹の可憐の3人。キャラの数は少な目だけど、そのぶん1人1人のストーリーはしっかりと掘り下げられたものになっているので、プレイ後の満足感は高い。ただ、CGの枚数はちょっと不満。プレイ時間はそれなりに長いゲームなのに、CG枚数は差分抜きで45枚。ビジュアルノベルは文章を読ませるのがメインということは分かるが、CGも物語を盛り上げる重要な要素の1つであることは間違いないのだから、もうちょっと枚数はほしかった。CGのクオリティは高いだけに、この点は残念。
そして、肝心のストーリーはちょっと「?」がついてしまう内容。というのも、プレイ後にどうしてもスッキリしないものを感じてしまうから。とりあえず、紅葉シナリオは主人公と紅葉のバカップルぶりが楽しいし、可憐シナリオもややモヤモヤしたものは残るがハッピーエンドといっていいエンディング。この2人に関しては十分に楽しむことができた。しかし、トゥルーエンドというべき桜シナリオがどうにもスッキリしないエンディングなのだ。純粋にハッピーエンドともいえないし、かといって悲劇でもない。主人公と桜の間に横たわった問題は、根本的になにも解決していない…。そんなエンディングなので、どうにも据わりが悪いオチになっている。それに拍車をかけるのが桜の性格。桜はよくいえば無邪気、悪くいえば幼稚な性格。ハッピーエンドらしきものを見ても、その後の2人の生活は、桜の性格が原因となって、いずれ破綻するのでは…と思えてならない。物語の中で桜が成長していくとか、2人で問題に立ち向かっていくという展開なら、もうちょっとスッキリしたエンディングになっていたんだろうけど…。
とにもかくにも、あまりにも幼い性格の桜が好きになれるかで、このゲームの評価は大きく変わりそう。自分はあまり感情移入できなかったので、オススメ度は☆3つ。逆に桜が好きになれるのなら、評価は大きく変わるはずだ。ひたすら無邪気に甘えてくる妹に萌えるなら、満足できるのでは?
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(by Suno)