Private Nurse
Angel Smile | Windows98/Me/2000/XP | 640x480 |
8800円+税 | 1Play約10時間 | 属性:ナース、幼なじみ |
難易度:7 | Keyディスク必要 | オススメ:☆☆☆☆(癒し・純愛系) |
骨の髄まで癒してくれます!
©Angel Smile
主人公の広樹は子供のころから原因不明の病にかかっていた。常に体調が悪く、急激な運動をすると倒れることも多かった。数年前から様態は悪化し、学園への登校は隣に住む幼なじみの彩乃にバイクで送ってもらっている。子供のころに父親は他界。母親は仕事の都合で滅多に家には帰らない。その母親が心配して広樹の在宅看護に雇ったのが、特殊国家資格を持つ「プライベート・ナース」のまりあだった。彼女は一ヶ月間住み込みで広樹の病気を治療するという。不自由ながらも気楽な一人暮らしを満喫していた広樹は、看護婦に管理される日々に嫌悪感を感じ、彼女にある条件を突きつけた。「一週間で、看護を受けてもいいと思わせることができなければ出て行ってもらう」と。
システムは選択肢を選んで物語を進めるタイプのAVG。内容としては完全な純愛になっている。一番の特徴としては、作品全体を通して「癒し」をコンセプトにしていることだ。まずイメージカラーを、人間が心理的にもっとも落ち着く色とされる緑に統一している点。ウインドウのデザインや、背景、看護婦の制服など細かいところにまで、緑の配色に気をくばっている。音楽もゆらぎを意識したヒーリングっぽい感じで、テキストを読まなくても画面と音楽を見ているだけでとても落ち着いてくる。
展開も非常にゆったりしていて、まりあが優しく説明する「お日様がくれる力」「木々の囁き」「入浴による毒素を洗い落とす効果」などで、主人公が少しずつ回復していくのを見守る感じだ。まりあの言うことはやや東洋医学のインチキくささがあるのだが、ゲームの中で聞いていると身をゆだねたくなるような心地よさがある。まりあが神秘的な癒しで主人公を浄化するのに対して、人間的な愛情で癒してくれるのが、幼なじみの彩乃だ。身体が弱いくせに気の強い主人公のために、好きな部活にもはいらず、送り迎えのためにバイクの免許をとり、授業中に体調が悪くなるたびに保健室に連れて行ってくれる。生活の基準を主人公に置いて、健気につくす。以前は彩乃から告白して付き合っていたけど、主人公が病気の悪化を理由に別れた過去があるぶん、よけいに健気さがひきたつ。
ヒロインはまりあと彩乃のふたりで、一応おまけ程度に風水マニアの保険医も攻略できるようになっている。それにしても攻略対象キャラ3人というのは少ないが、各ヒロインをこまやかに描写して、感情移入度を高くし、結果的にストーリーの厚みにつながっている。純愛で癒されたい! というユーザーにはまさにうってつけのゲームといえる。ただ、こういう作り方だけにHシーン到達にはかなりの忍耐を要求される。一日2時間程度しかプレイできないユーザーは2〜3日はHシーンをお預けになることを覚悟しよう。ただ、Hが薄いゲームというわけではない。後半はほぼ毎日ヤリまくりといっていい。また、「After Diary」という小さなおまけシナリオ群では、メインシナリオの前半のHの少なさを補完するかのように、かなりの量のHシーンがはいっている。
このゲーム、CGコンプリートするには難易度が激高になっている。その理由は、時々起こる彩乃とのじゃんけんイベント。このじゃんけんがランダムで、しかもCG分岐に直結しているのだ。これには相当悩まされた。ただ、このじゃんけん、彩乃にはある程度、どの手を出すかに傾向があるみたいで、なれておくと、後ですごく助かることに。「After Diary」でなんと彩乃と野球拳をするシナリオがあるのだ。もちろん全勝すればHできる。この野球拳はかなりアツい!
(by ぷらっぴ)