プリンセスうぃっちぃず
ぱじゃまソフト | Windows98/Me/2000/XP | 800x600 |
8800円+税 | 1Play約12時間(音声オン時は15〜16時間) | 属性:魔女っ子 |
難易度:6 | Keyディスク不要 | オススメ:☆☆☆☆ |
魔女っ子のお姫様とヒーローになろう!?
©ぱじゃまソフト
主人公はヒーローに憧れる男子学生。そんな主人公はある日、巨大なドラゴンと戦う魔法少女、クルルを目撃。2人でなんとかドラゴンを倒すものの、クルルは魔力を失ってしまう…。そこで主人公は、クルルとともに魔物と戦うことになった。
ゲームはコマンド選択AVG+カードバトルというもの。個人的にはカードバトルはあまり好きじゃない。というのは、カードバトルは運に左右される要素が大きいから。やっぱりゲームは考えて解くのがおもしろいと思うのだ。その点、このゲームのカードバトルは運に左右される部分が非常に小さく、かなり楽しむことができた。敵がどんなカードを出してくるかを読み、それに対応したカードを出せばノーダメージで戦うことができるようになっているのだ。いかにして相手の手の内を読み切るか、ここがとっても熱い! 完全に相手のカードを読み切り、完璧な勝利を収めたときの快感はひとしお。ゲームをクリアすれば、おまけモードでカードバトルだけを遊ぶことも可能。
AVG部分を盛り上げてくれるのが、画面効果などの演出。イベントシーンは単なる1枚絵だけでなく、スクロールしたり、拡大縮小を行なわれたりと、演出効果はかなり派手。さらに通常の会話シーンでも立ち絵が頻繁に変わったり、テキストウインドウの形が変わったりと多彩な演出が入り、物語を盛り上げてくれる。変身シーンでは、画面がスクロールしながら裸から魔女服へと変化していくのだが、これがなかなかエロかわいくてかなりいい感じ。
かなりいい感じの本作だが、シナリオはちょっと問題ありかも。本作では前半はコミカル、後半はシリアスという流れになっているのだが、その切り替わりがあまりに唐突。まったく別のゲームのよう。キャラの魅力を活かして最後までコメディで通すか、シリアスにするならするで前半からしっかりと伏線が張ってあればいいのだが…。しかも最後はスプラッタ。同じぱじゃまソフトの『パンドラの夢』をプレイしたことのある人ならわかりやすいと思うが、この作品はエンディングを見ると、ある事情によって時間を遡り、同じ時間を繰り返すという構造になっている。あまりに救いのないエンディングでは、再プレイの意欲がなくなってしまう人もいそう。もちろん、本当のラストはハッピーエンドで終わるようになってはいるのだが。
また、Hシーンが前半に集中していて、後半はHシーンはおろかCG付きのイベントすら少ないというのもバランス悪し。もっとも先述のように最後はスプラッタになってしまうので、このかわいい絵柄でグロCGを見せられても困ってしまうわけで、テキストだけで済ませたのは正解だったのかも。
さらに、メーカーのホームページのキャラ紹介や、体験版をプレイするとヒロインはクルル、委員長、林檎、かれんの4人のように見えるのだが、実はヒロインといえるのはクルルと委員長の2人だけというのも問題ありかと。一応、林檎とかれんのエンディングもあるにはあるが、いかにもとってつけたような代物。かれんに至ってはクリア後のおまけシナリオでのエンディング。林檎やかれんがとても魅力的なキャラクターであるだけに、もったいないお化けが出そう。リリアン先生のHシーンがないのは納得いかん! と思ったのは私だけ?
基本コンセプトは名作レベルなだけに、かなりもったいない感じの本作。名作になり損ねた秀作といったところだろうか。カードバトル部分はやり込み要素もあって楽しめるので、シナリオ後半の鬱展開を納得して購入するのならばオススメ。
(by Suno)