Natural Another One 2nd-Belladonna-
DreamSoft | Windows98/Me/2000/XP | 800x600 |
8800円+税 | 1Play9時間 | 属性:オカルト、サスペンス |
難易度:9 | Keyディスク必要 | オススメ:☆☆☆☆ |
オカルトテイストの人気シリーズ最新作
巨大企業体、八千草グループのオーナー八千草隆三が死去した。残されたのは、年若い未亡人と双子の姉妹だった。未亡人、樹の昔の恋人である主人公は、樹に遺産を放棄させるという依頼を受ける。報酬は10億円。依頼を受けた主人公は樹の住む洋館、洋花楼へと向かうが…。
最初に言ってしまうと、このゲームはこれまでの『Natural』シリーズとは別物と考えるべき。これまでの『Natural』シリーズは妹系キャラを調教する育成SLG+AVGというものだった。それに対し今作は、メインヒロインの樹は姉キャラだし(実際は主人公より数カ月年上なだけだけど)、SLG的な要素はほぼ皆無といっていい。なにより、比較的現実的なストーリーだった今までの作品に対して、この作品はオカルト要素の強い物語になっている。明らかに『Natural』シリーズの中では異端であり、これまでの作品が好きだった人には違和感があるはずだ。
©DreamSoft
実際にプレイを始めて見ると、最初はあまりの変わりように戸惑ったけど、ゲーム的にはかなり楽しむことができた。まず、システム的にはコンシューマーゲームのサウンドノベルに近い。コマンド選択によってシナリオが分岐するんだけど、選んだコマンドによってストーリーはオカルトになったりサスペンスになったりと、まったく違った展開を見せてくれる。エンディングの数もかなり多くて、バッドエンドを含めるとエンディングがいくつあるのか分からないくらい。難易度的にはシリーズ最高じゃないかな? やり込み要素はかなり高いね。お手軽系ゲームを求める人には向かないとも言えるけど、その場合は攻略を探しましょうということで。
ストーリー的にも、かなり激しく分岐しているにもかかわらず、シナリオが破綻していないのはお見事。さらに、ほとんどのヒロインが性格的にどす黒い部分を持っているのが面白い。純粋無垢に見えたヒロインが実は…という展開が結構あって、それがストーリーを盛り上げてくれる。それでいてエンディングはスッキリと爽やかにまとまっている。まあ、爽やかなのはハッピーエンドだけで、それ以外のエンディングでは絶望的な内容のモノもあるんだけどね。そして、オカルトルートではアニメーションを使った演出がかなり怖いのもグッド。アニメーションというとHシーンに使うことが多いけど、このゲームでは恐怖シーンの演出にアニメーションが使われていて、これが非常に効果的。恐がりな人は気をつけた方がいいかも。あと、アロちゃん怖すぎ…。
『Natural』シリーズといえば、Hシーンが多いことも特徴の1つだったけど、これは今作でも健在。Hシーンはゲーム開始直後からあって、数もかなり多い。1つ1つのイベントは尺が長いというわけではないけど、トータルでの満足度はかなり高いはず。ちなみにこのゲームの主人公は真性のサディスト。従って、HシーンはSMチックなモノがほとんど。なので、ラブラブな純愛Hが好きという人にはちょっと向かないかな。ただ、愛情のあるSMという感じなので、陰惨な雰囲気は全くナシ。ヒロインの方も主人公の調教を愛情表現として受け止めているしね。
ゲームのボリューム、ストーリーともに申し分のない本作だけど、1つだけ不満だったのがCGの少なさ。イベント数は多いんだけど、CGは使い回しが多い。トータルでは80枚くらいあるので、極端に少ないというわけではないんだけど、イベント数が多いだけにCGの使い回しが目立ってしまったという感じ。CGが同じでもテキストで変化がつけてあるので、プレイが退屈になってしまうということはないんだけど、見たことのあるCGがなんども出てくるのはちょっと…。あと初期状態では不具合があったのも気になる。修正差分によって解決されているので致命的ではないけど、せっかく完成度の高いゲームなのだから、最後まで作り込んでほしかった。この2点をマイナスしてオススメ度は☆4つ。サスペンスやオカルト物が好きな人なら是非ともプレイしてほしい作品だね。
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(by Suno)