MOON CHILDe
SIESTA | Windows98/Me/2000/XP | 800x600 |
8800円+税 | 1Play8時間 | 属性:SF |
難易度:5 | Keyディスク不要 | オススメ:☆☆☆ |
定められた未来を変えることができるか!?
50年ほど前に起こった未曾有の大災害、蝕。なんの前触れもなく起こった皆既日食は七日七晩続き、異世界より現れた謎の敵“ナイトメア”によって、人類の半数は殺された。そして、この蝕以降現れるようになったナイトメア感染症に感染した者はムーンチャイルドと呼ばれ、ムーンチャイルドと診断された主人公は、隔離施設であるまほろば学園に転校することになった。学園内で起こる怪事件。ファントムと呼ばれる怪人伝説。主人公は絶望だけが待つ未来を変えることができるのか?
©SIESTA
物語はムーンチャイルドとして、未来予知能力を持っている主人公が大切な人を守るため、未来を変えようとすることで進んでいく。シナリオは攻略するヒロインによって変わり、夕月咲夜&リンネルート、佐伯胡桃&三田村薫子ルート、笹原水乃&見里かなたルートの3つに大きく分岐。ハッキリ言って、シナリオの出来はルートによって差が激しいという印象。最も出来がいいのは夕月咲夜&リンネルートかな。このルートはかなり壮大な話で、ちょっと変わった学園モノという雰囲気からスタートして、人類の未来をかけた戦いへと物語が進んでいく。正直に言えば、「ここまで大風呂敷を広げちゃって、ちゃんと畳めるの?」と思いながらプレイしていたんだけど、最後にしっかりと物語を収束させたのはいい意味でビックリ。主人公が未来予知能力を持っているという設定もしっかりと活きていたしね。このルートだけをプレイしていたのなら、迷わずオススメ度に☆4つをつけただろう。ところが佐伯胡桃&三田村薫子ルート、笹原水乃&見里かなたルートは消化不良気味。ストーリーも小粒だし、そもそも事件が解決しないうちにエンディングになったりする。未来予知能力という設定も、あまり有効に使われていない。メインヒロインは咲夜とリンネで、残りの4人はオマケに近いと考えた方が良さそうだ。キャラクター的には薫子とか水乃なんかは好みなんだけどなぁ…。
このゲームの特徴の1つに、選択肢にカーソルを当てると選択後の結果を見ることができるというシステムがある。主人公の未来予知能力をプレイヤーにも体験してもらおうという工夫なんだろうけど、これに関してはあまり有効に働いているとは感じられなかった。選択後の結果を見ることができるといっても、あくまで断片的なもので、プレイのヒントとしてはあまり使えないというのが正直な感想。選択肢自体が比較的簡単で、どの選択肢を選べばどのヒロインのルートに入るのかがわかりやすいものがほとんどだし、重要な選択肢には色が付いているというのもこのシステムの効果をスポイルしてしまった感じだ。シナリオ的には未来予知という設定なくしては成立しないものになっていただけに、システム的にももう一捻りほしかったところ。もっとも、コマンド選択型AVGというのは既に完成されたシステムでもあるので、一捻りするのも難しいのかもね。
ルートによるシナリオの格差、期待していた選択後の結果を見ることができるシステムがそれほどでもなかったということでオススメ度は☆3つとした。だけど、一般的なコマンド選択型AVGと考え、夕月咲夜&リンネルートに限定すれば完成度はかなり高いといえる。特に咲夜の気が強くて焼き餅焼き、甘えたいんだけど甘えられないというツンデレっぷりは、個人的にかなりツボ。無口でミステリアスなロリキャラのリンネも魅力的。この2人に魅力を感じるならプレイして損はないんじゃないかな。
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(by Suno)