奴隷メイドプリンセス

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囚われの姫が生き残るには奴隷になるしか…

©BLACK LILITH

稀代の用兵家である主人公のエリクは、隣国を次々と平定し、ついには幼馴染で初恋の相手ロッテ姫の国を滅ぼすことになる。ロッテ姫は美しいだけでなく武勇にも優れ、その名声は大陸に鳴り響いている。エリクの父である国王は、ロッテ姫を捕らえ次第、後顧の憂いを絶つため処刑するよう指示していたのだった。しかし、初恋の姫を何とか救いたいと願ったエリクは、国王に大胆な申し出をすることに……。「王位継承権のある人間ゆえ、ロッテの存在は許されない。ならば、ロッテが人間を捨て奴隷になりさえすれば、処刑の必要などないのでは？」と……。国王はエリクの提案を受け入れ、ロッテを1ヶ月以内に「奴隷メイド」に仕立てることができたなら、その命を助けると認めてくれたのだ！　調教を受け入れるぐらなら死んだ方がマシ、と抵抗するロッテを説得し、見事調教に成功するだろうか？

このゲームは、リリスの低価格ソフトシリーズのAVGで、鬼畜路線の「ブラックリリス」ブランドからリリースされている。基本的には鬼畜なゲームではあるのだが、愛する姫を救うために調教を施す設定なので、半分は純愛要素が入っている感じだ。『女騎士リリア』のように、主人公が欲望剥き出しで姫の身体を弄ぶ方が個人的には好みだったね。でも、このゲームもそういう作風にすると、完全に内容がかぶっちゃうから、純愛要素が盛り込まれるのも仕方なしってところだろうか？

ゲームは、姫を奴隷に調教するという設定なので、てっきり調教SLG仕立ての構成かと思いきや、ほぼノベルと言ってイイ内容だった。エンディングまでに表示される選択肢は3個ぐらい。そのため、自分でロッテを調教してる感が希薄で、少し物足りなさを感じる人もいるかもしれないね。個人的には、Ｈシーンで女体を弄ぶ選択肢を2〜3追加したり、フィニッシュ時どこにぶっかけるかなどを選ばせてくれても良かった気がするかな？　また、エンディングは3種類用意されているが、物語が途中から大きく分岐するタイプではない。3個の選択肢をどう選んだかで、結果のみ変化するタイプだ。そのため、繰り返しプレイ時に新たな調教イベントが見られないので、2回目プレイ以降は単調なプレイに陥ってしまう。途中にも変化が欲しかったな。

とはいえ、1回目のプレイにすべてが凝縮されているので、絶対的なボリューム感は合格レベルにあると思う。イベント数はCGモードで30シーンあるので、低価格ソフトとしての適性ボリュームは確保している。クオリティの高いCG、そして丁寧に描かれている物語。AVGとして評価するとゲーム性に物足りなさを感じてしまうが、ノベルとして見れば上出来だ。ただ、最近のリリスでは定番となりつつあるアニメの演出がなく、若干パワーダウンしてしまった感も否めない。「低価格ソフトだからこのボリューム」ではなく、「低価格ソフトなのにこのボリューム！」というサプライズを提供してほしいな。

（by イ・ヤン提督）