らいむいろ流奇譚X cross 恋、教ヘテクダサイ。
エルフ | Windows98/Me/2000/XP | 640x480 |
8800円+税 | 1Play約20時間(音声オン時は23〜24時間) | 属性:仮想戦記 |
難易度:6 | Keyディスク不要 | オススメ:☆☆☆☆ |
SLGパートがパワーアップ
©エルフ
明治38年。礼武隊の活躍によってロシアの大要塞、旅順は陥落したものの、いまだ日本とロシアの戦いは終わることを知らなかった。そんな中、日本軍は再び礼武計画を発動。集められた5人の乙女たちに共通するのは人知を越えた力「礼武」を持つことと、普通に学校に通うことを夢見る心を持つこと。一方、ロシアにおいても、新たな陰謀が進められようとしていた……。
物語は『らいむいろ戦奇譚』の続編。ストーリー的には続いているのだが、主人公もヒロインも総入れ替え。とりあえず、礼武という人知を越えた力を持つヒロインたちが主人公と力を合わせて旅順を攻略したということだけ覚えておけば、前作をプレイしていなくても問題ないだろう。
物語の舞台は日露戦争。史実をベースにしているわけだが、それほど突っ込んだ時代考証がされているわけではないので、歴史の知識などは必要なし。美少女ゲームで日露戦争の持つ意義など解説されても萎えてしまうだけなので、あくまで架空の世界と割り切って楽しむのが正解だろう。シナリオはアニメや一般ゲームでおなじみのあかほりさとる氏。恋と友情と熱血というあかほり氏らしい王道的な物語を楽しむことができる。前作の主人公はやや後ろ向きな性格だったのに対して、今作の主人公はいい意味で熱血バカ。もちろん最後はハッピーエンドの大団円。ヒロインの悩みを主人公が解決して敵をやっつけるという、お約束の展開ではあるものの、明るく前向きなストーリーは安心してプレイできる。一新されたヒロインに関してはやや地味かも。メインヒロインというべきつむぎは巨乳眼鏡っ子のメイドさんで幼なじみと、これでもかとばかりに、いろいろな要素を詰め込んであるんだけど……。それでも、妄想癖があるという設定をつけて、それを物語の中で活かしているのはさすが。
前作での不満点の1つに、Hシーンが少ないというのがあった。その点、この作品はHシーンが盛りだくさん。SLGというと、エンディング前にHシーンがあるだけという作品も多いが、この作品では最初から最後までHシーンが配置されている。ちなみにCGは差分なしで200以上と大ボリューム。3Pもかなり多く、ドロドロの鬼畜Hを求めているのでなければ、満足度は高いだろう。もっとも、この作品に鬼畜を求める人もいないだろうけど。
そして、前作ともっとも変わったのが戦闘部分。前作ではシステムが単純すぎて戦闘を楽しむことは難しかったが、今作は本格的といっていい戦術SLG。なにも考えずに全ユニットで突撃、などということをやったら全滅は必至。きちんと考えてプレイしないといけないので、SLG好きなら満足できる出来だ。とはいえ、難易度設定ができるようになっていて、難易度を下げればかなり簡単になるので、戦術SLGの入門用としても最適。戦闘マップは3Dで、自由に回転や拡大縮小ができ、快適にプレイできるようになっている。1度クリアした戦闘は、次回のプレイからはスキップできるので、繰り返しのプレイでも作業的にならずにすむのもうれしいところ。
1つだけ注意してもらいたいのが、かなりのマシンスペックを要求するという点。特にビデオカードへの要求が高く、一昔前のマシンを使っている人は要注意。エルフのホームページに対応ビデオカードの一覧があるので、ゲーム購入前には必ずチェックしよう。ノートPCではビデオカードの交換ができないので、体験版をプレイしてみることをオススメする。
(by Suno)