くすり指の教科書2
アクティブ | Windows95/98 | 640x480 |
8800円+税 | 1Play約2時間 | 属性:幼なじみ、クラスメイト |
難易度:4 | Keyディスク不要 | オススメ:☆☆☆(純愛系) |
重めの純愛が染みる!
©アクティブ
一年間の浪人生活を送った後、主人公は地元の専門学校に進学した。そこで知り合った行動力抜群のクラスメイト、武田俊夫とともに「お昼ご飯を楽しく食べよう」というサークルを結成することに。そして「女のコを一人以上、勧誘してくること」というノルマを課せられた主人公。年齢イコール彼女いない暦という奥手の主人公は、戸惑いながらも女のコに声をかけ始めるのだが……。
1997年に発売されたこの作品は、前年に発売された『くすり指の教科書』の続編にあたる。しかし、前作との関連性としては「武田俊夫」が前の作品の主人公だったというぐらいで、完全に新作として楽しめるようになっている。
システムはオーソドックスな選択肢型AVG。春編、夏編、冬編と3部構成になっている。春編はサークル結成とヒロインを1名勧誘するまでの内容。夏編では勧誘したヒロインとのラブストーリーが展開する。章の間には主題歌ムービーが挿入され、最後に勧誘したヒロインが「はやくワタシをつかまえて!」的なセリフが入るのが時代を感じさせて泣かせる。一通りのエンディングを見ると、おまけシナリオにあたる冬編がプレイ可能に。クリスマスを舞台にしたヒロインとのアフターストーリーを楽しめる。夏編の完全攻略は意外とシビアで、全体のHシーンの約半分が入っている冬編を前に、ちょっとした苦渋をなめることになる。
ストーリーは完全純愛系。しかし、ヒロインたちの抱えている問題が妙に重く、やや粘液質な純愛という、不思議なムードを作り出している。
控えめでおとなしい娘のあゆみは、信じた男にレイプされたという過去から、一線は越えないながらも乱れた交際をしている。元気で明るい希は、実はにぎやかな人間関係が苦手で、遊園地で着ぐるみのバイトをすることで心の安定を得ている。ツッパリ少女の忍は主人公が好きなのに素直になれず、主人公の勧めるまま、実というクラスメイトとつきあっている。なんだか、これだけ並べても手放しにラブラブにはいきそうにない感じだ。そして主人公と同じクラスの雛にいたっては、頑張り屋のけなげな女の子で、暗い影はまったくないのだが、残念なことにほぼ最後になるまで主人公ではなく俊夫に想いを寄せている。妹的な女のコの弥子は主人公の家で待ち伏せしているストーカーだし。
こうした重い設定により、プレイヤーはヒロインと「痛みを分かち合う」ことを要求される。でも美少女ゲームにそういう没入感が感じられるのなら、このゲームの毒の部分も合わせて楽しむことができるだろう。貞操的にプレイヤーを裏切ったり、傷つくような要素はない上でドロドロしている純愛ゲームをプレイしてみたい人にはお勧めの作品だ。
(by ぷらっぴ)