いただき♥じゃんがりあんR
すたじおみりす | Windows98SE/Me/2000/XP | 800x600 |
8800円+税 | 1Play約3時間 | 属性:ウェイトレス、コメディ、宇宙麻雀 |
難易度:3 | Keyディスク:不要 | オススメ:☆☆(バグがなければ+2) |
宇宙麻雀が帰ってきた!
「大変大変大変だよ、お兄ちゃん!」と平穏な「じゃんがりあん」の店内で妹・鈴音の声が再び響く。前日までは別の店があった場所へ忽然と開店した競合店「アニーズ」。ファミレス好きーな和己は喜ぶが、徒歩10分圏内で駅前にもあるアニーズがなぜこのような場所へ進出してきたのか!? アニーズ主催で親善麻雀大会が開かれることになるが、そこには何らかの陰謀の匂いが……。
©すたじおみりす
※記事執筆時のバージョンは1.10であり、それを元に記述されています。それよりも新しいバージョンが公開された場合は、バージョンアップの変更の履歴で本記事の内容との変更点をご確認ください。
プレイ開始時にヒロインを選択して各ヒロインのルートへ進むようなシステムになっているが、なにしろ人数が多いので麻雀で戦いながら進めていくのは結構大変だ。10人+シークレット4人で、シークレットキャラは最初の10人のうち特定のキャラをクリアすると出現する。クリア後に新規にプレイを始めれば大丈夫だが、キャラクターセレクト直前でセーブデータを作っておき、それを利用してプレイを開始するとシークレットキャラは選べないっぽい。
このゲームは麻雀に勝たないとなかなか先に進めないが、ここでいう勝つというのは麻雀で単純に勝利することではない点に注意が必要だろう。対戦ごとに勝利条件があり、単純に勝てという条件ならよいが、「40000点以上取りトップで勝て」「跳満を1回以上出して勝て」「相手を最下位にしろ」「相手に和がらせるな」「○○までに飛ばせ」といった提示条件だとそれを満たせないと先へ進めないという作りになっている。条件を満たせずに進めることもあるが、それはCG・イベント分岐となっているので、いずれにしろ勝ったほうも見なければイベントの回収ができない。中には強制イベントで配牌&展開が決まっているものもあって笑えたが、条件を満たせずにコンティニューにお世話になる可能性がそれなりにあるかもね。選んだキャラによってストーリーや舞台設定がだいぶ変わってくるので、繰り返しプレイも飽きないと思う。ななえシナリオなんかは驚愕のシナリオ展開に悶絶させられてしまった。コメディ好きな人に推したい。
©すたじおみりす
特徴である宇宙麻雀は、初代じゃんがりあんが麻雀の役判定がボロボロ(平和があがれないとか目茶苦茶だった)で、修正ファイルを連発していたときに名付けられた通称だったと思う。開き直ってルールを拡張してきたのが宇宙麻雀モード。その名にふさわしく(?)、9〜1が繋がっていて89-1や9-12も順子としてありになるとか、白發中や東南西なんてのも順子でOKだとか、はては上家以外からもチーが出来たりするので、それを理解できないでいるとかなり不利な対戦を強いられてしまう。ドラのみであがれるというのも意表をつく。対局前の条件で宇宙麻雀と表示されていると、このモードになるので要注意。条件を読まずにスタートしてもBGMがぶっ飛び気味のノリノリのマジカルリンスな曲であれば宇宙麻雀だから、BGMをオフにしていない限りすぐにわかるはずだ。
CGモードにはコメディ系のイベント絵も登録されているのがGoodな感じだ。システム面では、ロードやセーブ、設定などの画面で右クリックをしても元の画面へ戻ってくれないのが少々面倒かも。あと、メッセージスキップ実行中、各セリフの先頭が一瞬再生されるのでブツブツって感じの音が出てしまうのは非常に気になるんだけど、どうにかできないのかなぁ? ボイスの音量が設定した通りにならず常に大きな音になるのも困りものですね。
お薦めのキャラは、みさきちゃんですかねぇ。和ったときに裏ドラでドラを増量できるLv1の技は重宝します。しかも凶悪な技の使い手。彼女のLv3の必殺技はイーピンを最大13枚積み込めるんだとか……。ぉぃぉぃ、そんなのありかよ(笑)。なかなか困難ではあるが、それが決まったときには強烈な破壊力が炸裂する。もちろん宇宙麻雀モードでなく普通のモードでも使うことが可能。どういう役でいくらになるのかはぜひプレイして試してほしい。
個人的にウケたのは「今日のオカズはお茶の時間(注:メーカー名)の、愛DEATH(注:ソフトタイトル)なんだぞ!
」(らぶデス?)とか「コスプレものなのに速攻で全裸になりやがって! ふざけんな!
」(同意多数か?)といった名(迷?)セリフですね。テキストを読んでいてニヤリとなるようなのが多くて、読み手を飽きさせないところがよいですねー。麻雀自体もギャグとしかいいようのない「全ての牌が赤牌」なんて非常に危険なお互い一撃で沈みそうなステージ(というか確実に沈むね)もあってドキドキものです。このゲームの属性に心当たり&惹かれる人にはぜひプレイしてみてほしいかなぁ。でもバグが直らないことには正直いって他人にお薦めできない。なお、前作などを未プレイで設定を知らなくても「いただきじゃんがりあん」「いただきじゃんがりあん・ちょこっとあどべんちゃ〜」も収録されているので問題ないし、買ってなかった人にはお得感があるかも?
ちなみに、ゲームをインストールするとスタートメニューにProgram Updatesというのが追加される。InstallShield Update Managerを利用して、ゲームのアップデートを定期的にチェックすることが出来るので便利そうな気がする(初期値は毎週チェックで毎日に変更も可能)。スタートアップ時に自動的に実行されるようになるのが嫌な場合は、レジストリのHKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Microsoft¥Windows¥CurrentVersion¥RunにあるISUSPM StartupとISUSSchedulerを削除すればよい。なんと、InstallShield Update Managerをインストールしておきながら、現時点でアップデートのチェックに実は対応していないそうです(公式サイトの掲示板によるサポート側の情報)。公開されているアップデートファイル1.10は、過去のセーブデータを利用できないという、残念ながらユーザー側が不便を強いられるタイプのものだった。それにしても、勝っても負けても先に進めないとかサバイバルモードを選んだら強制終了してしまうという不具合は、出荷前にデバッグをしているのか疑問を感じてしまうのですが……。せっかく面白いものを作れているのに、これではお薦めしにくく評価がランクダウンという感じになってしまうのが残念でなりません。デバッグが大変で充分な検証ができなくなるようなら、わざわざ麻雀なんかにせず普通のアドベンチャーにすればよいと思うんだけどねぇ。必要なハードウェアも、ビデオカードがGeForce2,RADEON7200,G400以上、統合チップセットならば845以上という敷居の高さも気になるところ。ゲーム中のどこにその世代のグラフィックス機能が必須になるような部分があるのでしょう。無理に使う必要はなさそうなのですが……。わざわざハードルを高くして潜在的な市場を狭めているし、プログラムも工程増大や複雑化で動作検証の手間も増大させているだろうし、どうしてこのような仕様にしたのか不思議でなりません。
(by 天城螢)