最果てのイマ
ザウス【純米】 | Windows98/Me/2000/XP | 800×600 |
8800円+税 | 1Play6時間 | 属性:シリアス |
難易度:3 | Keyディスク必要 | オススメ:☆☆☆ |
難解なストーリーの文学的作品
幼いころから施設で育った忍が、義姉の千鳥とともに施設を出て、最初にしたことは、友人を作ることだった。そして、忍が見つけた6人の友人たち。彼ら7人は街はずれの廃工場に集まった。仲間の1人、章二が「聖域」と呼んだ場所。暖かくやさしい世界……。忍が永遠に続くことを望んだ世界は、「敵」の出現によって壊れていく……。
ゲームはAVGだが、一般的なコマンド選択型ではなく、「blog」と呼ばれるシステムを採用。これはWebブラウザでリンクを辿るようにシナリオを進めていくもの。テキスト中のキーワードをクリックすると、シナリオが分岐するシステムだ。キーワードの中には単なる用語説明のものも多く、シナリオに影響するキーワードはごくわずか。どれがそれに当たるかは、何回かプレイすればすぐに分かるはずなので、ゲーム性はほぼ皆無といっていい。
ゲーム性の低い作品ということで、問題になるのはシナリオになるわけだけど、非常に評価に困る作品といえそう。一応、オススメ度は☆3つとしたけど、人によっては☆5つと感じる人もいるだろうし、☆ゼロだと思う人もいるだろう。
©ザウス
このゲームで攻略可能なヒロインは4人で、その4人を2回ずつ、つまり8回ゲームをクリアするとトゥルーエンドに繋がるルートに入れるようになっている。このトゥルーエンドルートは、非常に壮大なストーリーで、読んでいる者を引き込んでしまうだけの力のある物語となっている。シナリオライターの力量には、素直に脱帽。さらに、4人のヒロインとの会話も非常に魅力的。じっくりとストーリーやヒロインたちとの会話を楽しみたいという人にとっては、☆5つに値するゲームといっていいだろう。
しかし、物語そのものは非常に抽象的で難解。人によっては、まったく意味不明ということもありそう。さらに、トゥルーエンドルートでは4人のヒロインがほとんど登場しないうえに、Hシーンもほぼナシ。4人のヒロインが登場する最初の8回のプレイでも、時間軸が過去から現在、現在から過去へと頻繁に変わってしまうため、シナリオがとても把握しづらい。これがヒロインたちへの感情移入を妨げ、Hシーンにも唐突な感じを与えてしまう。もちろん、最後までプレイすれば、時間軸が頻繁に移り変わる理由も分かるんだけど、そのためにはかなりの忍耐力を持って、シナリオを読み進めていかなければならないのだ。はっきり言えば、この作品は18禁ゲームにする意味がなかったような気も……。
お手軽にプレイできて、Hシーン重視という人には勧められないけど、じっくりと時間をかけて物語を読むのが好きで、Hシーンなどどうでもいいという人にはオススメ。そういう人にとっては☆5つのゲームとなるはず。
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(by Suno)