ぎゃくたま2
Discovery | Windows98/Me/2000/XP | 800x600 |
8800円+税 | 1Play約4時間(音声オン時で約5時間) | 属性:お嬢様 |
難易度:7 | Keyディスク必要 | オススメ:☆☆☆ |
お嬢様相手にぎゃくたまを狙え!
©Discovery
名実ともに一流を誇る家に生まれた西園寺雅章。ある朝、雅章が目を覚ますと、家中の物が差し押さえられていた。理由を聞いてみると、父親が事業に失敗して家は破産寸前。1カ月以内に金策を講じなければ、家を失い代々続いてきた西園寺家に汚点を残してしまう。だが、雅章はまだ学生。なんとかしようにもそんな力も権力もない。そこで考えたのが、名家のお嬢様といい仲になってぎゃくたまに乗るということ。幸い、雅章の通う学園は名門校。お嬢様には事欠かない。雅章のぎゃくたま作戦の行方は!?
この作品の主人公は金持ちのボンボンで、金持ちであることを思いっきり鼻にかけていて、キザという、普通のゲームならどう考えても悪役という人間。普通のゲームと違うのは、このゲームの主人公はアホだということ。しかも、めったやたらにポジティブなアホ。どれくらいアホかというと、女のコに面と向かってぎゃくたまを狙っていることを宣言してしまうくらいのアホだったりする。そのため、普通なら嫌みになってしまう性格設定にもかかわらず、悪印象はない。むしろ、爽やかといってもいいくらい。これがこのゲームの最大のポイント。唯我独尊を地でいくような主人公と女のコたちのやり取りは、コミカルでとても楽しいものとなっている。
エンディングも主人公と女のコがお互いの信念を貫き、それでいてお互いを思いやるという物が中心。すっきりとしていて、それでいて未来への希望を感じさせるものが多い。金のためにぎゃくたまを狙うという、一歩間違えればピカレスクロマンになってしまいそうな物語を、しっかりと恋愛AVGに仕上げたのはお見事。女のコたちが主人公に惹かれていく過程もしっかりと描かれている。ただ、絶対的なプレイ時間が短いためか、やや物語が駆け足になっている感は否めないけど……。
また、この作品は前作『ぎゃくたま』のその後の世界が舞台。登場する女のコの多くは前作のヒロインの娘だったりする。前作を知っていると、あの親にしてこの娘ありというイベントも多く、かなり楽しめるはず。もっとも、前作を知らなくても問題なく楽しめるようになっているので、一見さんお断りというわけでもない。
システム的にはマップ移動型のAVG。マップ上にチップキャラが表示され、誰もいない場所には移動できないようになっているので、誰でもスムーズにエンディングにたどり着けるはず。ただし、エンディングはキャラごとにトゥルー、ノーマル、バッドの3種類が用意されているのだが、ノーマルとバッドは難易度高め。女のコにあった回数と選択肢によって好感度が変化し、好感度によってエンディングが変わるシステムなのだが、会った回数が少ないと別のキャラのルートに流れてしまい、会いすぎるとトゥルーエンドになってしまうため、好感度の調節がかなり面倒なのだ。まあ、メッセージスキップが高速なので、2回目以降のプレイはそれほど負担でもないのが救いではあるが。足回りとしてのシステムとしては、細かく設定が可能でほぼ完璧に近い。ちょっと癖があるものの、使いやすいシステムといえるだろう。
女のコとコミカルで、テンポのいい会話を楽しみたいという人にはオススメ。もちろん、前作のファンなら文句なしに楽しめるはず。プレイ時間が比較的短いので、手軽にプレイできるゲームがほしいという人も楽しめるはずだ。
(by Suno)