FESTA!!-HYPER GIRLS POP-
Lass | Windows98/Me/2000/XP | 800x600 |
8800円+税 | 1Play6時間 | 属性:コメディ |
難易度:7 | Keyディスク不要 | オススメ:☆☆☆ |
東西に分断した町で祭りが始まる!
父親が海外出張することになり、生まれ故郷のまほろば市で一人暮らしをする異なった主人公。そこで主人公が目にしたのは、町を東西に分断するオレンジ色の線だった。まほろば市は東の鏡町と西の御剣町に分かれて対立していて、ついにオレンジの線によって町を分断してしまっていたのだ。鏡町に住む幼なじみ、恋水と再会し、御剣町に住む転校生、奈々子に出会ったことで、町を仲直りさせようとする主人公だったが!?
ゲームをスタートして、プレイヤーは最初に鏡町と御剣町のどちらに住むかを決定することになる。その後はいろいろなイベントを通して同じ町に住むヒロインと仲良くなっていくことになるわけだ。エンディングが用意されているのはメインヒロインとして奈々子、双葉、凛、恋水、琴子、彩音の6人。さらにサブヒロインとして澄零、紗南絵、美香の3人のエンディングがある。ところが、これらのキャラクターたちのルートはすべて、物語のプロローグといっていい。すべてのエンディングを見ると、物語の本編がスタートすることになる。キャラ別ルートはプロローグとはいっても、1プレイが6時間程度。2回目のプレイからはメッセージスキップが効くので3時間程度でクリア可能だけど、それでもかなりのボリュームだ。それに対して全エンディング後の本編は1時間程度でクリア可能。これはさすがに、ちょっとバランスが悪いように感じる。
©Lass
それでもプロローグであるキャラ別ルートが面白ければいいのだけど、これもちょっと微妙。山もオチもなく淡々と物語が進み、なんとなくHをしてエンディングという感じなのだ。思うに、これはゲームシステムがこの作品のコンセプトに合っていなかったのではないだろうか? このゲームは普通のコマンド選択型AVGではなく、いくつも用意された短いエピソードを選択することで進んでいく。どんな順番でエピソードを選ぶかはプレイヤーの自由。そのため、本来物語を盛り上げるべきところで静かな感じのエピソードをプレイしてしまったり、ヒロインと仲良くなったにもかかわらず、次のエピソードでは素っ気なかったりということが発生することになる。こうしたことが積み重なり、全体としては淡々とした印象になってしまったのではないだろうか。個々のエピソードを見れば悪くないものが多いだけに、これはもったいなかった。やはり、このゲームにはオーソドックスなコマンド選択型AVGが合っていたのでは?
本当のことをいえば、オススメ度は☆2つにしようかと思っていたのだけど、CGのクオリティが過去の作品と比べて大きくアップしたこと、Lassの過去作品に登場し、不遇な扱いを受けていた奈々子のハッピーエンドがあったということで☆1つプラスして、オススメ度は☆3つとした。奈々子のハッピーエンドに関してはネタバレになってしまうので詳しいことは書かないけど、他のキャラとは異質なものとなっている。最初は必ずバッドエンドになってしまうが、あきらめずにプレイを続ければ新たな道が開けることになるぞ。これまでのLass作品で奈々子が好きだったという人には、是非プレイしてもらいたい作品だね。
(by Suno)