百千の定にかわたれし剋

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  • エウシュリー
  • Windows 10/11
  • 1280×720
  • 10780円
  • 1Play30時間
  • 難易度★★★★★★★★★
  • オススメ★★★★★
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エウシュリーが放つ歯応えタップリなセミフリーシナリオRPG超大作

建国60年に及ぶラミケルティ王国は、豊かな自然を生かした工芸品や装飾品を作り出す熟練の職人が集まり、王朝と民衆が手を取り合う笑いの溢れる国と評判であった。しかし、そんな日々も永遠には続かず、近年様々な問題が表面化し始める。権益を独占し民衆や職人に無理を強いる王族や貴族の発言が目立ち始め、不満を持つ者には武力による鎮圧が行わていたのだ。そして民衆から笑みは失われ、権力者を刺激しないよう静かにやり過ごす日常が静かに根付いていった。職人に必要な素材を調達する為に専門化された職業『料師』であるマルクは、故郷の街コテエリルが騎士団による強引な徴収に見舞われたことに義憤を抱き、相棒のルイリや仲間たちと共に動き出す!!

エウシュリーの25周年記念作となる新作が登場。物語的には『神採りアルケミーマイスター』の前日譚にあたる位置づけで、『戦女神』シリーズや『封緘のグラセスタ』等の過去作のシステムをベースにした迷宮攻略RPGとなっている。また、今作では自由度が非常に高く設定されており、どの町から攻略していくか、誰を仲間にし攻略していくかといったゲームの進め方が自由なセミフリーシナリオなのも大きな特徴。国の革命を行うことが主人公たちの最終目標だが、その道筋はプレイヤーに委ねられているのだ。ヤリ込み要素満載の大作RPGを手掛けてきたエウシュリーの集大成ともいえる作品といって過言はない。まさに歯応えのある大作RPGを求める人にはピッタリの作品だろう。

大作RPGであることは間違いないが、注意してほしいのは「簡単ではない」ということ。エウシュリー作品のファンなら慣れているだろうが、今作もRPGとしての難易度はかなり高いレベルにある。特に仲間が揃っておらず、味方のLVが低い序盤は苦戦は必至。全滅しても所持金を減らして戦闘を続行できる救済機能はあるが、それを使っても勝てないボス戦などは出てくるだろう。地道なLV上げや、素材を売却して強い装備の購入を狙うといった育成要素が不可欠となるので、RPG慣れしてない人は注意してほしい。ダンジョンの謎解きでも簡単ではないものも多いので、そこで詰まってしまう人もいるかもしれない。筆者もスタイドパネルにはかなり苦戦させれた。じっくり、どっぷりプレイしてクリアするゲームなので、ライトゲームを求める人はご注意を。もちろん、それだけ遊べる要素がタップリ詰まった内容なので、RPGファンにはぜひ挑戦してほしい作品だ。