RGH〜恋とヒーローと学園と〜

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強面主人公が学園ヒーローに！

あまりにも顔が怖いために、幼い頃から犯罪者呼ばわりされてきた主人公・武隈巌。倫応学園への入学をきっかけにそんな自分を変えようとする主人公だったが、入学式では暴漢と間違われ、入ることになった寮は廃墟かと思うほどのオンボロと、さんざんな有様に。そんな時、熊の着ぐるみを拾った巌は、顔を隠し、学園ヒーローとして活動を開始する。

©Chien

本作は2006年に発売された『委員長は承認せず！ 〜It Is a Next CHOice〜』の続編。ただし、これはゲーム中でも語られているんだけど、舞台が前作と同じ倫応学園というだけで、物語的にはまったくの別物。前作を知らなくても、まったく問題なく楽しむことができる。一応、前作のヒロインである経・アダムスミスが登場したり、前作の主人公やヒロインが今なにをしているのかをちょっとだけ知ることができるので、前作のファンならニヤリとできるかもしれないけどね。

物語はと言えば、前半は主人公である巌が寮の仲間たちとの絆を深めていくドタバタ学園コメディ。後半に入ると、倫応学園に多数存在する学園ヒーローを操る正体不明の黒幕との戦いが物語の軸になっている。前半部分に関しては学園コメディとして、なかなかの出来じゃないかと思う。厳ついのは顔だけで、実は臆病で小心者という主人公と、そんな主人公を支える優しい友人たちというのが、しっかりと描かれているのが良い感じだ。しかも、そうしたともすれば重くなってしまいがちなテーマを、学園ヒーローというスパイスを加えることでコミカルに描いているのは良かったね。前作でもそうだったんだけど、こういう情けない主人公の描き方が上手いなぁ、と。情けない主人公というのは、一歩間違えるとウザイだけになってしまうものだけど、このゲームの主人公は根っこの部分では他人を思いやる強さを持ってる人物として描かれているので、ウザさを感じないんだろうね。

©Chien

ゲーム後半では黒幕との戦いが物語のメインになるわけだけど、この部分はちょっと急ぎすぎたかなという印象だ。後半に入ると黒幕との戦いばかりになってしまって、ヒロインや友人たちとの触れあい的な部分が少なくなってしまうんだよね。このあたりをもっとじっくり描いたら、印象がさらにアップしたと思うんだけどね。また、黒幕の正体や、なぜ事件を起こしたのかが曖昧なままになってしまうのは、はっきりした結末を求めるプレイヤーにとってはストレスが溜まるところかも。事件を起こした動機なんかは一応語られてはいるんだけど、大事件を起こす動機としては弱すぎて、納得のいかない部分が残ってしまうんだよね。ここまで「黒幕」と書いてきたけど、これも純粋な悪人というわけではなさそうなので、黒幕の人間像をしっかりと描いていたら、もっと物語に奥行きが出たんじゃないかなぁ？

Ｈシーンに関しては、まあこんなものかな？　というところ。基本的にヌキゲーではないし、純愛モノなので奇抜なシチュエーションはない。ちょっと気になったのがキャラによってＨシーンの濃さの差が大きいこと。と言うより、寧々宮ここのＨシーンが短すぎないか？　Ｈシーンに突入したと思ったら、あっという間に終わってしまうんですが。この点については複数のシナリオライターが参加している弊害が出てしまったのかな。CGは差分抜きで103枚、イベント数は27あるので、十分に満足できるボリュームだろう。CGはデフォルメされたカットインCGもあり、これは103枚の中には含まれていないので、実際のプレイでは数字以上にボリューム感を感じるしね。少々気になる点もあったものの、学園コメディとしては秀作と言って良いかと。オススメ度は☆4つ。明るく楽しい雰囲気の学園モノが好きならオススメできる。

   使い方

攻略

シナリオ分岐のフラグはやや分かりにくいけど、好感度の蓄積で分岐するシステムっぽい。茉莉は好感度を上げる選択肢が少ないので、やや難易度が高めかな。

チャートで注意してほしいのが、《最初からプレイ》となっている部分。茉莉ルートではCGが3枚、ランダムで表示される。3枚すべてを回収するまでゲームの再起動を繰り返そう。もう1つは用語を回収するためのチャートなんだけど、これもランダムで用語が出てくるので、100％になるまで繰り返して欲しい。なお、用語はIINCHO SYSTEMで用語解説を見ることで新しい用語を回収できることも多いので、解説は一通り見ておくこと。

（by Suno）