ひだまりバスケット

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義妹の帰還から始まる騒々しい日々

バイオリンの才能を見いだされ、ウイーンへと留学していた義妹・仲神かすがが突然日本に帰ってきたことで、主人公の生活は一変してしまう。兄妹の関係を心配した母によって、主人公は学園の寮に入れられてしまったのだ。パワフルに主人公に迫るかすが。それを心配する幼なじみや、寮の仲間たち。主人公の毎日はどうなってしまうのか？

©eufonie

公式サイトではジャンルが「寮生活ハートフルADV」となっているんだけど、これって寮を舞台にする意味ってあったのかなぁ？　寮で共同生活をしている場面ってあんまり無かったし、ほとんどラブホテル代わりに使われているだけのような気が……。もっと寮を前面に打ち出したイベントを入れて欲しかったね。まあ、寮ではなく学園モノと考えれば違和感はないわけだけど。あとプレイしていて気になったのが、テキスト。細かいことかもしれないけど「！」マークのあとにスペースが付いているところと付いていないところがあったり、シナリオライターが書いたと思われるコメントがそのまま表示されていたりするところがあった。あるいは、Ｈシーンでテキストでは射精前なのに、CGでは精液の差分が表示されていたりね。こう言うことって1度テストプレイすれば気がつくことなんだから、しっかりと作り込んで欲しかった。

気を取り直してゲームを進めていくと、共通ルートは良い感じだね。暴走気味なかすがはウザイと言えばウザイけど、嫌悪感を持たないレベルに押さえられているし、かすがに振り回される幼なじみの湊深美や、かすがとやり合う女番長の代田憧子、不思議少女の先輩・小泉繭たちとのやり取りもコミカルで面白いし。何気ない背景がアニメーションしていたりと、画面効果を含めた演出も効果的。明るい雰囲気の学園モノが好きな人なら、楽しめるんじゃないかなと思う。

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けれど、共通ルートが終わり個別ルートに入ると、印象は変わってしまう。個別ルートは基本的にシリアスで、かすがルートは兄妹の関係に反対され、それをどう解決していくかというのがテーマ。それ以外のキャラはヒロインとのつきあいをかすがに反対され、それをどう説得していくかというのが第1段階。それが解決するとヒロイン固有の問題が発生するという流れになっている。問題が発生して、それを解決してハッピーエンドというのストーリーの基本だから良いとして、問題は主人公の行動。このゲームの主人公の行動の基本原理は「問題の先送り」。問題が起こっても、ウジウジ考えるだけで、なにもしないんだよね。で、肝心の問題は先送り。日本人らしいって言えばらしいんだけど、問題がこじれるとテンパってしまい、事態が悪化する方へ悪化する方へと暴走してしまう。そして、いよいよ事態が悪化してどうにもならなくなると、誰かが代わりに問題を解決してくれてハッピーエンド、と。ここまでグダグダっぷりを見せつけられると、さすがに感情移入もできない。主人公って言うのはプレイヤーの分身なわけで、普段はヘタレでも良いけど、いざというときはしっかりと決めて欲しかったなぁ。

基本的なストーリー展開は王道と言って良いものだし、ヒロインのキャラも立っている。特に主人公とつきあい始めてから恥ずかしがったりするところは、かなり良い感じなんじゃないかと思う。そして、CGやシステムは十分に良作レベル。と言うわけで、このゲームの評価は、ヘタレっぷり全開の主人公を受け入れることができるかどうかで決まってしまうんじゃないかと思う。個人的にはどうしても受け入れがたいので、その点をマイナスしてオススメ度は☆3つ。ヘタレ主人公でも気にならないよって言う人は、プレイしても良いんじゃないかな。

   使い方

攻略

選択肢は多いものの、判断に迷うものは少ないはず。シンプルに目的のヒロインを優先する選択肢を選んでいけば、ハッピーエンドにたどり着ける。

（by Suno）